新宿院スタッフ

サプリメントと膝痛

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変形性膝関節症

サプリメントと膝痛

2021年9月6日(月)

東京ひざ関節症クリニック 新宿院
院長の 長谷川です

第11回目の投稿となります

今日は

サプリメントと膝痛

について考えていきたいと思います

患者様からよく聞かれることがあります

サプリメントって効果あるんですか?

今まで数え切れないほど質問されました。これに対して『理論的にはきかないと思います。』と返答してます。
グルコサミンやコンドロイチンは大手メーカー、製薬会社からも普通に販売されております。テレビのCMなどでもよく目にする印象があります。

グルコサミンやコンドロイチンは口から入って、消化管で消化吸収される過程でアミノ酸などに細かく分解されてしまいます。
一度細かく分解されたものが都合よく膝の中でグルコサミンやコンドロイチンとなって再合成されるわけではないのです。とはいえ、完全に効果を否定する客観的証拠があるわけではないため副作用とかなければ試しにサプリメント使って見てもいいんじゃないですか?と述べるに留めていました。

実際はどうなのかと思い、調べてみました

変形性膝関節症のガイドラインによると

(※ 国内外の変形性関節症診療ガイドラインは各国の診療状況に応じて治療法の評価に基づいて作成されております。日本では日本の診療実態に合わせて日本整形外科学会より国際的な変形性関節症のガイドライン(OARSI)が2012年に翻訳され、日本版のガイドラインが作成されており、それをもとに考察してみました)

ガイドラインの検討項目として

【グルコサミンやコンドロイチン硫酸の投与が症状の緩和につながる可能性がある】

に関して ガイドラインの推奨度として

推奨強度  41% となり

推奨度は I  となります。

推奨度とは
A;行うよう強く推奨する
B;行うよう推奨する
C;行うことを考慮して良い
D;推奨しない
I;委員会の設定した基準を満たすエビデンスがない。あるいは複数のエビデンスがあるが結論が一様ではない

日本整形外科学会のガイドラインでは
推奨するわけではないが、全く意味がないといった根拠もないと捉えることができます。

【結論】
サプリメントはあまり効果はないと思いますが
副作用などなければ試しに飲んで見る分には自己責任でどうぞ となります。。。結局今までと同じような回答することになります。。。

ただし、サプリメントで例え症状が楽になるようなことはあったとしても、軟骨が再生されることはありません。
軟骨は消耗品です。長い目で見れば軟骨は経年劣化で消耗していきます。痛みの波はあっても徐々に痛みの頻度や強さは必ず増していきます。

そうなる前に早めの治療が必要です。その時、効くか効かないかわからない治療を漫然とするより、しっかりと根拠に基づいた効果のある治療を受けることが必要となります。そういう意味ではヒアルロン酸の膝関節内注射も根本的な治療とは言えません。
膝治療に関してサプリメントを悪くいう気はありませんが、飲んでいてもあまり効果のない方は早めの受診が必要です。

とはいっても

実はサプリメント自体は私も好きです。筋トレのためのアミノ酸などのサプリメントはトレーニングの補助として飲んでおります。

受診の際はスタッフ一同お待ちしております

院長 長谷川

整形外科・再生医療
東京ひざ関節症クリニック 新宿院
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